鬱、無職、窓辺にて。

鬱、無職、窓辺にて。

現在はただの窓辺です

12月

本当に継続が苦手になった。
短文でもいいからもう少しブログを更新しようと思う。
こんなこと書いてもな、と思ってやめたりするのだがどうせ見る人などほぼいないのだから好きにやろう。
Twitterだと思ってやる。
鬱がひどかった時期にもっと文章を書いておけばよかったと思ったりするのだが、自分にとってそれは辛いことだったのでどうしようもない。

最近は新千歳空港の国際アニメーション映画祭に行った。
良かった作品のメモとしてまた後日雑感想を書きたい。
あと、首と肩のこりが酷く整骨院を経て鍼に行き始めた。おそらく筋肉が必要。

鍼に行くと、とにかく全身をあっためてくれる。
あたたかくてやわらかいものを体の上にたくさん乗せてくれて、さらにその上から布を掛けてくれたりする。
王様にでもなったような気分で、つい頬が緩むというか、ふわふわと嬉しい気持ちになる。
あったかいって幸福なのだと知った。
お風呂は気持ち良いという感情の方が近いし、おふとんにくるまっても王様の気分は味わえない。

とりあえず肩こりはマジで辛い。

2019下半期:あいちトリエンナーレ(2/2)

続きです。
前記事はコチラ

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■進化の衰退/パンクロック・スゥラップ
横4メートル以上もあるとても大きな木版画
人類が辿ってきた歴史を、人間を昆虫に置き換えて表現している(という見方でいいのか?)。
絵のそこかしこに「OBEY」「CONSUME」「STAY ASLEEP」など我々が社会から受け取るメッセージがビルの広告のように乱立している。
木版画をまともに見たのは初めてだったが大きいだけあって迫力がすごく、絵画作品のなかでは一番好きだったかもしれない。木版画いいなぁ。

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たぴ

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■声枯れるまで/キュンチョメ
性別・名前をテーマとした映像作品。名を変えて生きる決断をした数名が自身の生い立ちを話したあと公園で「声枯れるまで」新しい名前を叫ぶ。
上の写真はそれとは別の映像で、親子間で口論が行われながらも互いの手を重ねて元の名前の上から新たな名前を朱書きする。昨今「ありのままの自分」とはよく言うが、そう簡単に折り合いをつけることができない親と子の複雑さが表れていてとても良かった。
手法が単純だという意見も見かけたが、難解な作品が多い中でストレートに響いて好きだった。

 

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円頓寺商店街のステージで眉村ちあきちゃん見れた!ピッコロ虫が聞けて嬉しい。
オタクがよく調教されていてあったかい空間だった。良かった。

youtu.be

眉村ちあきちゃんはTIF2019の動画で知ったんだけど、ラストのピッコロ虫のところがめちゃくちゃいいんだよ途中の即興含め。22分から28分くらいまで見てくれどうか。


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■輝けるこども/弓指寛治
小学生6人が亡くなった鹿沼市のクレーン事故を題材にしている。
この大きな絵は、会場内にある非常口(?)を開けた先の中とも外ともいえぬ空間に飾られていた。彼らが向かった場所かそれともあったはずの未来か。
オーロラと桜が美しくて見入ってしまった。
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被害者の一人である愛斗くんは不思議な子で、小学生でありながらこのような詩をいくつも残していたという。場内にいくつか飾られていた。

今回で弓指さんのことを知ったのだが、母を自死で亡くした直後に描いたというトリの絵が可愛くて好きだ。

dot.asahi.com

さらにゲンロンカフェの弓指さん回を見て、18才という若さで自殺したトップアイドルの岡田有希子を知った。

vimeo.com

これ。とても面白かったです。
600円で見れます。


別でチケットを買って田中功起さんの映像作品「抽象・家族」を見たのだが、それが"日本に住む、日本以外のルーツを持つ人達"が同じ家で家族のように暮らしてみるという内容だった。
概要を大して確認せずに観覧したので、まさか自分のことがテーマになっているとは思いもせず不思議な気分で見ていた。
映像が終わると、なんと他の観客とグループを作り感想を言い合ってくださいとのこと。知らない人と話す機会などない日々だったし(そしてまだ鬱が回復していない時)、テーマが自分だったこともあって緊張して心臓が爆発しそうで気持ち悪かった。
全然うまく喋れなくて後からそのことを反芻してしまいしんどかったな。

ほんの少し人と話しただけでこんなにも自分がかき乱されてしまって、それは辛かったけど、他人と関わることは良くも悪くもそれだけのパワーがあるのだなと図らずも再確認させられてしまった。


あとは伊藤ガビンさんの全面プロジェクションマッピング作品がすごく楽しくて好きだった。一度しか見れなかったのが残念。変ないきものたちが銭湯に入ってるとこ楽しかった。

タニア・ブルゲラ氏の、社会問題への共感を引き起こすため展示室内に化学物質を充満させて客を強制的に涙を流させる、というのも面白そうだったな。抗議で閉鎖されていて入れなかったが。

 

3泊4日旅でも全部見きれなかったので印象に残っている作品はまだあるのだがこの辺で終わりにする。
初めて大きな芸術イベントに行って、むずかしい作品もたくさんあったけどとても楽しかった!
最後に、田中功起氏の当事者・非当事者に関する文章が良かったので載せておく。

 震災後(あるいはポスト・フクシマ)の状況の中でもっとも困難になったのは、非当事者による自由な語りだと思う。
たとえば「自分は福島出身です」は、問題との距離の近さを開示し、その人が、当事者として、フクシマについて語ることにお墨付きを与える。問題との距離の遠さは、語りを困難にする。
ぼくは震災を日本で経験していない。福島出身でも、被災地近隣の出身でもない。非当事者であるぼくが震災についてあるいは原発について語ることはなかなか難しい。それは容易に批判されるからだ。
問題への距離のあるぼくが震災を扱うとき、ひとはぼくが震災を利用していると受け取るかもしれないだろう。それでもぼくは、自分から距離のある問題をどのように自分の問題とするのか、ということをずっと考えてきたのだと思う。

非当事者として、当事者性の強い問題に関わることは難しい。
でも、非当事者であるということはある意味ではその問題に対して「余裕」があるということだ。
そして「余裕」なぼくは、そこに責任を感じる. 困難な語りの最中に身を置くことができるのは、 「余裕」があるぼくのような存在だからだ。
当事者の vulnerabilityを共有すること。
自分をその位置に重ねて考えてみること。
それでも恐れず語り関わること。
あなたにはそれができるだろうか。

2019下半期:あいちトリエンナーレ(1/2)

前回のも含め、いずれ書こうと思ってタイトルだけ付けた下書きがたくさんたまっている。そろそろ1年経ってしまうので振り返りのような過去日記をのんびりと投稿していきたい。

去年の秋にあいちトリエンナーレへ行った。きっかけは、監督である津田大介氏が掲げたアーティストのジェンダー平等というコンセプトをtwitterで見かけたこと。

 それまで自らの意思で美術館や芸術祭に出向いたことはなかったが、ここ数年で文化・芸術への関心がとても高くなっていたので非常にいい機会だった。

感想を1つ1つ書いていると永遠にアップできないと思うので写真に残していたものを中心に雑に進めていく。

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壁が可愛い

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■10分遺言
誰かが誰かに向けて(もしくは誰に向けるわけでもなく)10分間で書いた遺言が表示される。
タイプトレースという手法が使われていて、文字の打ち直しや言葉に迷っている時間など筆者が自身のデバイスで文章を作る工程をそのまま映像として見ることができる。
タイピングの音と同一フォントの文字が流れるだけの無機質な空間だったが、ためらいながら作られる文章の向こうに確かにヒトを感じてとても不思議な気持ちになった。ずっと見ていられる気がした。
部屋の中央にはディスプレイとキーボードが1セット置かれていてキーが自動で動いていた。まさにそこで誰かが遺言を書いているかのようだった。

調べたら現在もネット上で他人の遺言が見られるみたいだ。興味があったら"#10分遺言"でツイート検索してみてください。

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企画展「表現の不自由展・その後」が閉鎖されるという問題が生じ、このように抗議として展示をボイコットするアーティストが多くいた。

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 ■The Clothesline/モニカ・メイヤー
clotheslineは物干しロープという意味らしく、ハラスメントや被抑圧の体験を来場者から集め洗濯物のように吊るすことで性差別の現状を可視化し共有する。こちらも抗議のために、破られた用紙(白紙)が床に散らばっていた。
この作品は来場前から知っていたので見れなくて少し残念。

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イカ~~~
メロン~~~
イカかわいい

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■THE ROMEOS/ドラ・ガルシア
これも抗議のため中止とされていたが、内容が大変おもしろい。冷戦時代の東ドイツでスパイマスターのマルクス・ヴォルフが考案した「ロミオ」というスパイ作戦に着想を得たという。

 あいちトリエンナーレに潜入した若い男性のグループ、彼らの使命は親しみやすく何気ないふるまいで来場者たちを魅了すること。彼らの行動は礼儀正しく丁寧だが、相手の同意があればより親密に接してこようとする。たとえばより長い会話、ジョーク、褒め言葉などで。会話はそこで終わるかもしれないし、約束や友情につながるかもしれない。もしかすると、恋にも。
 このことを知ってしまった今、あなたは尋ねてきた魅力的な青年にどう接しますか?彼の優しい物腰と笑顔を信じますか?演技だと分かっていても彼の好意を受け入れ、それが続く限り身を任せて楽しみますか?
いずれにせよ、安心してください。ロミオたちは決してあなたが何をしたのか、何を言ったのか、誰にも言いませんし誰も知ることはありません。

私は多分サササーッと逃げるな。いや、どうだろう、松田翔太似のイケメンだったらどうしよう。

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the clotheslineの手法をそのまま使ったもので、トリエンナーレの中盤から登場した作品。

詳細がコチラ→ YOur Freedom | ReFreedom_Aichi

私も1枚書いて投函しておいた。

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お昼ご飯
どう見てもうまい肉

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■無情/藤井光
左:台湾の人々を「日本人化」する目的で設置された国民道場の映像
右:現在愛知県内で学び働く若い外国人がそれを真似た映像
現代の人間によって演じられたものと対比させることで過去の出来事を単なる過去と感じさせない良い作品だった。

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■レンタルあかちゃん/しんかぞく
廃墟のようなサイゼリヤの屋上に作られた、キュートで異様な空間。
保育士エプロンを身につけたおじちゃんたちがこんにちは~と迎えてくれ、スタンプラリーのように進む参加型作品だった。用紙にコピーされたあかちゃんを受け取り、バーチャルアトラクションで遊ばせたりお絵かきしたりとなんだか楽しい。

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ゴールには来場者が子守をしたあかちゃんが壁いっぱいに、そしてその大元となる原画が貼られていて継承やつながりを感じさせる仕組みとなっていた。
置いてあった制作ノートはちゃんと読む時間がなかったが、深いねらいがあるようだった。
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しんかぞくの代表である和田唯奈さんの絵は、つるつるキラキラとしていておんなのこの可愛さを詰め込んだような印象を受けるが、過激でどこか暴力的でもあり不思議な魅力がある。

(次の記事へ続く)